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特集記事  「ヤンマーミュージアム」で大いに遊んだら、「まるい食パン専門店」でサンドイッチを食べてからそう時間は経っていないのにお腹が空いたので、お昼にしましょう。
 食事は旅行の楽しみの1つです。せっかく来たのですから、その土地ならではのものを食べたいですよね。ということで、長浜の郷土料理は?と探したら、ありました。「長浜名物 焼鯖そうめん」が。
 長浜には、「五月見舞い」といって、農家へ嫁いだ娘のもとへ、娘を案じる親が焼サバを届ける風習があるそうです。また、長浜の街を縦断する「北国街道」は、かつては別名「サバ街道」と呼ばれていた歴史もあるといいます。その焼鯖とそうめんを炊き合わせてつくる「焼鯖そうめん」が長浜の定番の郷土料理ということで、長浜市内には「焼鯖そうめん」を出す店がいくつかあるのですが、今回はその中でもマスコミに数多く取り上げられるなど人気の「翼果楼」を訪ねました。


特集記事  長浜市のほぼ中央、北国街道沿いに位置する「翼果楼」は、築二百年の古民家をそのまま生かしたとても風情のある店構えが特徴です。この辺一帯は「黒壁スクエア」といって、昔の建物を生かした町並みが人気で観光客を集めているのですが、「翼果楼」もその中の一棟として町の景観に貢献しています。中へ入ると、昔ながらの土間があって、そこで靴を脱いで座敷へ上がります。小さな庭も眺められる座敷は、かつては生活の場だったようで、いい雰囲気。そんな趣のある座敷でいただく「焼鯖そうめん」(900円)は、2日間煮込んだ鯖が骨まで柔らかく、甘辛い煮汁がそうめんによく絡みます。一口食べて、旨い!というようなインパクトはないのですが、噛み締めるごとに味が深まっていくようで、素朴ながらもしみじみと美味しく、これこそが郷土料理だなあ、というような味でした。ミニ子さんも、「サバがホロホロとしてて、そうめんにも味がついていて、美味しかったです。そうめんでこんな料理もできるんだ、というはじめての体験でした」と、満足の様子。この日は「焼鯖そうめん」だけしか食べませんでしたが、「翼果楼」は焼鯖そうめん専門店といいながらその他のメニューもいくつかあるようなので、皆さんもお試しください。

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特集記事 焼鯖そうめんで腹ごしらえを済ませたら、お次はいよいよ本日のメインでもある「曳山博物館」の見学です。「曳山博物館」がなぜメインなのかというと、長浜市では毎年4月の13日から16日まで、「曳山まつり」が開催されており、平成28年秋にはユネスコ無形文化遺産にも登録されています。この「曳山まつり」へ、シニア・ナビのメンバーの皆さんにぜひとも行ってもらいたい、という思いがあるからです。つまり、今回のちょい旅の目的地は長浜ですが、ほんとうに紹介したいのは、じつは長浜の街というよりは、「曳山まつり」である、と、このように理解していただけたら幸いです。

特集記事  長浜の「曳山まつり」は、かの豊臣秀吉が長浜城主だった時代にはじまります。男子誕生の祝いとして秀吉公から砂金を与えられた町衆が、それをもとに曳山(山車)を造り、秀吉公が再興した長濱八幡宮の祭礼で曳き回したことが起こりとされています。
 祭りは4月9日の線香番を皮切りに、12日までの4日間は若衆による裸参り、13日の籤取り、14日の夕渡り、15日の歌舞伎奉納と続き、16日には各町で歌舞伎が披露され、17日の御幣返しで終わりを迎えます。そこで上演される歌舞伎の役者を、5歳から12歳までの男の子が務める、いわゆる“子ども歌舞伎”が長浜曳山まつりの最大の見どころ。春休みから稽古をはじめ、13日夜から4日間上演される子ども歌舞伎は、堂々とした中に可憐さを秘めた大人顔負けの熱演に大勢の見物客から拍手喝采、大変な熱気に包まれます。

特集記事  そんな「曳山まつり」のすべてを知ることができるのが、「曳山博物館」なのです。ここでも今回のちょい旅の特権として、公益財団法人長浜曳山文化協会の小池充主査にご案内をいただきました。
 当館の最大の目玉は、やはり「曳山」です。実際に祭りで使われる曳山が常時2台展示され、間近で見ることができるのです。その大きさと、見事な装飾品による豪華絢爛さにミニ子さんは感動、というよりは、うっとり。ため息をつきながら曳山を見上げています。普通の山車とは違って、“舞台”がしつらえてあるのが特徴で、ここで子ども歌舞伎が行われるのだと思うと、なんだかワクワクしてきます。この曳山が街中に引っ張り出されて、その曳山の上で子供たちが大人顔負けの歌舞伎を披露している、そんな風景を思い浮かべると、今から実際の祭りが見たくて見たくてたまらない、そんな気分にさせるのです。もちろん今回のちょい旅では無理なので、小池さんに無理を言って、昨年の「曳山まつり」の写真を借りてきました。これで少しでも実際のお祭りの雰囲気がおわかりいただけますでしょうか。

特集記事  「曳山博物館」には曳山の他にもさまざまな展示物があり、お祭りのことだけでなく、長浜という街の歴史や風習なども知ることができます。「曳山まつり」の歴史は、長浜という街そのものの歴史です。「曳山まつり」を知ることは、長浜の街をより深く理解することでもあります。小池さんのお話を聞いていると、そんなことを考え、かつ、かつて隆盛を極めた長浜の町衆の様子が偲ばれ、大変感慨深い思いが致しました。おっと、ミニ子さんはどういう感想を抱いたのでしょうか。
「以前、川越のお祭りを見に行ったことがあって、私の中ではお祭りといえばそのイメージでしたが、ずいぶん様子が違うようですね。これはなんとしても実際に見てみなきゃ、と思いました。曳山は大きくて素晴らしいんですが、それを地元の方たちが大切に、大切に扱っていることも感じられて、それもよかったです。そういう人々の努力が、お祭りなどの伝統を支えているんだなあ、ということが実感できて、勉強になりました」
 おお、ミニ子さんはかなり深いところまで感じ取ったようですね。それも小池さんの説明に熱が入っていたからでしょう。「曳山まつり」は小池さんのような熱意ある人々によって支えられています。皆さんもぜひ、長浜へ来たら「曳山博物館」に寄って、「曳山まつり」のことを知ってほしい、そして4月の13日から16日まで、「曳山まつり」の当日も長浜まで足を運んで、子ども歌舞伎を鑑賞していただきたい、と心から思います。ちなみにクライマックスは15日だそうです。この日ばかりはちょい旅で、とは言わず、前もって準備万端、宿泊も考慮した本格的な旅行で長浜へお越しください。それが無理だという方は少なくとも、4月13日〜16日は「曳山まつり」、ということだけは覚えてくださいね。

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特集記事  旅の最後は、「黒壁ガラス」でお土産の物色です。先ほども言いましたが、この一角は「黒壁スクエア」といい、黒壁の名のついた建物があちこちにあるのですが、その中心が「黒壁ガラス館」です。
 「黒壁ガラス館」をはじめ、いくつもの黒壁と名のつく建物を持ち、「黒壁スクエア」を運営しているのは、社名もそのまんまの「黒壁」という会社。長浜市観光の中心的存在だそうです。その「黒壁」の笹原司之部長が案内してくれました。「黒壁ガラススタジオ」では、ガラス工房で職人たちがグラスなどをつくっているところをガラス越しに見学できます。それを見ていると自分でもやってみたくなりますよね。実は、別館に「黒壁体験教室」があって、そこで吹きガラス体験などガラスの制作体験が出来るほか、陶芸やオルゴール制作などが体験できるところもあります。これを目的とした旅も一興だと思います。
 ミニ子さんが一番気に入ったのは、「黒壁ガラススタジオのオリジナル ガラスのおひなさま」。1月1日から3月3日までは「黒壁ガラスのひなまつり」で、ガラスでつくったおひなさまが並んでいたのが目にとまったようです。

特集記事  その他、お土産が各種揃う「黒壁AMISU」では地酒の試飲をさせていただいたりもして、この「黒壁スクエア」だけでも1日楽しく過ごせそうです。この辺りは観光客もたくさん来ていて、とても賑やかで、長浜市のランドマークといっても過言ではないでしょう。
 そんなこんなで、午前10時に到着し、午後5時ぐらいまで目いっぱい、長浜の街を楽しんだミニ子さん。最後に感想をどうぞ。

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